使用貸借土地上にある建物の補償についての考え方(その4)
2019年01月16日/ 補償等に関する業務関係

喜納(清淳)行政書士事務所
( 特 定 行 政 書 士 )
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3.建物移転補償
建物の移転については、移転補償、動産移転料補償、仮住居補償などによる補償が行われるが、実際の移転においては、これらの補償に含まれない移転先選定費、登記手続費、移転通知費等の費用が必要となる。
建物を移転する場合一般的に支出が予想される経費(動産の移転に要する費用・借家人の移転に要する費用及び仮住居に要する費用等)の他に、支出が予想される細かい経費、すなわち移転先又は代替地等の選定に要する費用、法令上の手続に要する費用、移転通知費、移転旅費その他の雑費を総称したものを移転雑費といい、必要な限度で補償することになる。
そこで使用貸借土地上にある建物の補償について考えてみると、移転補償、動産移転料補償、仮住居補償(必要に応じて)などは補償することになるが、移転雑費の中の移転先の選定に要する費用は検討を要する。
「公共用地の取得に伴う損失補償基準」及び「公共用地の取得に伴う損失補償基準細則」から移転先選定に要する費用について、見てみることにする。
(1)移転雑費補償とは
移転雑費の補償については、公共用地の取得に伴う損失補償基準第37条に定めているが、その内容は土地等の取得又は土地等の使用に伴い建物等を移転する場合や代替地を取得する場合において、移転先や代替地の選定に要する費用、法令上の手続に要する費用、移転通知費、移転旅費その他の雑費を必要とするときは、通常これらに要する費用を補償するものである。
この場合において、当該建物等の所有者及び借家人又は代替地等を必要とする者が就業できないときは、営業休止、農業休止及び漁業休止に該当するものを除いて、それらの者が就業できないことにより通常生じる損失を補償するものである。
(2)移転先選定に要する費用
移転先選定に要する費用は、土地の取得又は使用により、建物等の移転を要する場合において、土地所有者又は借地権者が移転先の代替地を選定する必要があるとき、並びに移転建物の居住者が借家(仮住居を含みます。)を選定する必要がある場合に補償するものである。
移転先選定に要する費用は、補償対象地域の実情を考慮して、通常宅地建物取引業者に委託して選定するのが適当であると認められる場合、例えば建物等の所有者及び借家人が補償対象地域において、移転先地の数量が少なく、また、その情報が少ないこと等により詮索することが不向きと認められる場合は、委託報酬相当額(宅地建物取引業法46条に定める報酬額)及び選定に要する交通費等とし、建物等の所有者及び借家人が自ら選定する場合は、選定に要する交通費及び日当等とする。
要するに「建物等の移転を要する場合において、土地所有者又は借地権者が移転先の代替地を選定する必要があるとき」と限定されていることから、使用貸借土地上にある建物所有者は借地権がないので移転先選定に要する費用の対象とはならないことが分かる。
O公共用地の取得に伴う損失補償基準
(移転雑費)
第37条 土地等の取得又は土地等の使用に伴い建物等を移転する場合又は従来の利用目的に供するために必要と認められる代替の土地等(以下「代替地等」という。)を取得し、若しくは使用する場合において、移転先又は代替地等の選定に要する費用、法令上の手続に要する費用、転居通知費、移転旅費その他の雑費を必要とするときは、通常これらに要する費用を補償するものとする。
2 前項の場合において、当該建物等の所有者及び借家人又は当該代替地等を必要とする者が就業できないときは、第44条、第47条及び第51条に規定するものを除き、それらの者が就業できないことにより通常生ずる損失を補償するものとする。
○公共用地の取得に伴う損失補償基準細則
第21 基準第37条(移転雑費)は、次により処理する。
1 従来の利用目的に供するために必要と認められる代替の土地等とは、次の①から③までに掲げる土地等とする。
① 次の各号に掲げる手続等がとられていることにより、近い将来建物等の敷地の用に供されることが明らかであると認められる土地等の取得又は土地等の使用に係る空地(たな卸資産を除く。以下「建設予定地」という。)の所有者又は借地人が建物等の敷地の用に供するために当該建設予定地に代えて必要とする土地等
以下省略
2 移転先又は代替地等の選定に要する費用は、次により算定する。
① 建物等の所有者及び借家人又は前項に掲げる所有者、借地人若しくは耕作者が自ら移転先等を選定する場合(以下「自己選定の場合」という。)においては交通費及び日当に選定に要する日数を乗じて得た額とし、宅地建物取引業者に依頼して選定することが適当であると認められる場合(以下「業者選定の場合」という。)においては交通費及び日当に選定に要する日数を乗じて得た額に宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第46条第1項の規定による宅地建物取引業者の報酬額に相当する額を加えた額とする。
(参考資料:「問答式 用地取得・補償の法律実務」 新日本法規)
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Posted by Seijun Kina at 18:12│Comments(0)